こんにちは、たけちよデス🐶
このブログでは、この先の変化の激しい時代において、全ての世代のビジネスマンにはもちろんのこと、特にX世代にあたる40歳以上の方々は知っておかないといけない知識や考え方をできる限り分かりやすく、短い文章で発信しています。
このブログで大枠を掴んでから、他のサイトや書籍などで理解を深める、というような使い方をしてもらえればと思います。
今回は、次世代のコンピュータ技術である量子コンピュータについてお話しします。
量子って何?

量子コンピュータは、これまでのパソコンとは違い、圧倒的に処理速度が速くなります。
量子とは、物質を作っている原子やそれらを構成する電子や陽子、中性子などの総称です。
コンピュータにこれを使う理由は、量子の持つ「重ね合わせ」の性質を利用するためです。
量子の世界では、一つの物質が同時に複数の状態を取ることができ、その性質を「重ね合わせ」と呼びます。
頭がこんがらがると思いますので、とりあえず、量子は複数の状態を取れるんだ、ということだけ理解できればOKです。
使われている量子は、電子、光子、イオンなど。
IBMが開発している量子コンピュータは超電動方式が用いられていて、それは絶対零度近くに電気抵抗がゼロになった回路に電流を走らせ、その電流の向きをビットに用いるもので、使われている量子は電子になります。
Googleでも超電動方式の量子コンピュータの開発が進められています。
量子コンピュータと古典コンピュータの違いは?

私たちが普段使っているコンピュータは、量子コンピュータと比較される際は、古典コンピュータと呼ばれます。
この古典コンピュータは、「0」と「1」の組み合わせで計算処理をします。
それは普段使っているスマホやPCだけではなく、超高性能なスーパーコンピュータであっても仕組みは同じです。
例えば、0と1で10桁の暗号を解く場合、約1000通りのパターンがありますが、古典コンピュータはこの10桁の組み合わせを1つずつ確認していきます。性能が良ければ良いほどこのスピードは早い。
一方、量子コンピュータで計算すると1つずつではなく、一遍に確認できるため、1回の計算で正解を出すことができます。
このように同時並列プロセスで計算できることが量子コンピュータにおける処理能力の速さに繋がっています。
スーパーコンピュータは、通常のパソコンの数十倍の計算処理速度がありますが、量子コンピュータであれば、スーパーコンピュータが3日かかる計算を200秒で終わらせることができるとも言われています。
また、スーパーコンピューターはかなりの電力を消費します。日本で有名なスパコンの「京」の消費電力は一般家庭の3万世帯にもなりますが、量子コンピュータはそれほど電力を使わず、エコの観点でも良いです。
量子コンピュータには2種類の型がある

量子コンピュータには、主に2つの型があります。
1つは、ゲート型(万能型)で、これは量子ゲートと呼ばれる論理回路を組み合わせて行います
もう1つは、アニーリング型(機能限定型)で、これは組み合わせ最適化問題を解くために特化したものです。
アニーリング型は、東京工業大学の2人の教授が理論を考案しました、そして2011年にカナダのD-Waveというベンチャー企業が商業化に成功しています。
一方、万能型と言われるゲート型の量子コンピュータは、2019年10月にGoogleが使用したことで話題になりましたが、安定的な運用にはまだ10年以上かかると言われています。
量子コンピュータによって何が変わるの?

量子コンピュータが得意なのは、膨大なパターンの中から最適化を導くことができることです。
【1】交通機関
バスや電車、飛行機などのダイヤを最適化することができます。
また自動車であれば車一台ごとにリアルタイムで最適経路を導くことが可能になり、渋滞緩和に繋がります。
【2】医療開発
医療の面でも、一遍に様々なパターンの組み合わせ開発や実験ができるため、新薬開発で期待されています。
あらゆる分子構造を解析することで、これまで治療不可能と言われてきた難病や癌などの病気を治すことができる可能性があります。
実は今回のコロナウィルスでも使われています、
上記で紹介したアニーリング型の量子コンピュータを商用化しているカナダのD-Wave社が、新型コロナウィルス発生に伴い研究者向けに無償で提供してます。
最後に。

AI、ビッグデータ、ブロックチェーン、3Dプリンタ、6G、量子コンピュータなどの技術により、これからの10年はこれまでの10年以上に早いスピードで進化し、環境変化を進めていきます。
この量子コンピュータにおける日本の開発費用は、160億となっており、これを倍増させる見込みとなっています。この投資額を見ても日本における量子コンピュータの期待が分かってもらえると思います。
しかし、アメリカや中国では、すでに1000億以上の開発費用を投じています。
ITの分野においては、日本は10年以上遅れていると言われています。
これからの10年は日本ITの時代にしていきたいですね。
政府任せではなく、まずは個人からも変わる必要があります、自戒の念を込めて。
では、また。。